職場では身の回りにちょっとした疑問が起きることはよくあります。
業務の事、お客様からの質問など、「あれ?調べてみないとわからないなぁ」って事が色々な場面がありますよね。
その時上司である貴方はどんな行動に出るでしょうか。
私の言いたい結論から申しますと、部下の小さな疑問に一緒になって向き合う事は、上司は自らの能力が上がり、部下の信頼を得て、職場のチームワークも強くなるという働き方改革になるという事です。
自分自身上司として不足している能力を部下が代わりに発見してくれているのですが、リアルな現場では意外にこの小さな芽を大切にしていない上司が多く、勿体ない事が起こっていることが多いのです。
この記事では、実は「上司は部下に育てられている」という事についてお話させて頂きます。読んでいただけたら、貴方は実力派で人気のある上司になる事ができます。
今回は先に私の職場であった事例をご覧いただきますね。
〈私の職場の事例を二つ紹介します〉
事例①
ある女性社員からの産休育休についての質問でした。産休はどこに届け出したらいいのか、育休中は人手を補充するけどその後復帰できるのかなどでした。
私にとっても産休をとる部下は今回が初めての経験でしたので、わからない事ばかりでしたので、会社の規約をみたり人事に電話したり、ネットで調べたり色々してみました。
すると分からなかった事以外に、手当の事や育休中の雇用保険の事など知らなかった事も発見できて、一時期産休の情報屋と自慢できるくらいになり、いろいろ質問に答えてあげることができました。
事例②
嘱託社員からの今後の働き方についての質問でした。
当社は60歳定年で65歳まで嘱託社員となり、65歳以上は契約社員となります。契約社員となると時給や交通費の支給はどうなるのか、厚生年金や確定拠出年金はどのようにもらうのかなどの質問でした。
ある程度は周りの人から情報は聞けましたが、正しい情報なのかは確認できていませんでしたので、私自身も人事に確認してみました。正確な情報を伝える事もできる以外に、社員の互助会からお疲れ様的な還付金ももらえる情報もわかったりして、その社員は喜んでくれました。
これらの事例ではその結果、女性社員は今まで以上に仕事に取組み成果を上げてくれましたし、男性社員も65歳で辞めようかと悩んでいた事もあったのですが、引き続き働いてくれる事になりました。
上司自身には関係ない内容ですが、その場の疑問に一緒に向き合うとその問題解決以外に他の情報を得たり、部下の仕事に対するモチベーションがあがるという別の副産物も多いのです。
つまりポイントは次の3つです。
上司というのは形だけ!問題解決の手段は知っているが経験不足な面は多い
上司と言えども知らない事はありますよね。そこを見栄を張って自分の持っている知識や情報だけで済ますと、質問者も自分自身も損をするのです。
知らないか少しでも自信がないと思ったらそこで調べるのです。
上司は調べる手段が多くあるから上司であり、その手段を頼って部下は質問してくるのです。
小さな疑問は一緒にとことん調べるとお互いの情報レベルが上がるいい機会になるのです。
根本的に部下は情報不足の中で戦っている!貴方の登場を待っている
疑問が出たその状態は、社会人として成長できるチャンスです。
しかし成長段階とは実はストレスなのです。筋力をつける為には運動をして負荷をかけ筋肉の細胞を壊して次により強い細胞が生まれるという構造と同じです。
しかも部下は常に情報不足な環境にあるのです。わからないことが出た時、知りたいという思いと知らない不安から逃げたいという思いの心理になっています。
また上司に対しても聞きたいという思いと、自分で解決した方が迷惑かけないで良いという状態になり、質問するときは部下なりに悩んだ末の助けを求めてきた状態だと知って下さい。
実は上司は部下とかかわる事が出来ることで成長してる!
つまり上司は自らが本当の上司になる為には「何でも聞いていいよ~」という姿勢や雰囲気を持つことが大切なのです。実はそれだけで良いのです。
部下からの質問や問題解決に手が取られて、上司自身の仕事が出来ないとか面倒くさいとか思う上司は仕事を勘違いしてます。
上司は出来るだけ効率的に成果を上げる事が能力です。そのチャンスを自分で潰して且つ部下の成長を止める事が、部下の質問や疑問をその場で解決しないという行為なのです。
役職や立場は自分で勝ち得たものではなく、周りの人々の困った事を解決する窓口となる事から始まり、それを総合的に体系化して他の同じようなことで困った人を救う事ができる立場になるという事なのです。
要するに上司は周りの全ての方に勉強させてくれてると言う思いで仕事をするべきなのです。
まとめ 上司は部下が居て初めて上司で居られる存在だ!
部下が多くいれば上司はより能力が上がる。もし能力が上がらないなら部下を粗末にしているからです。こういう上司の下では部下は辞めていきます。部下を大切にできれば自分が一番得をする。これを知るべきです。
疑問はストレスです。部下が困った時、自分で考えさせることも大切ですが、放置は教育になりません。徐々に信頼を失い、上司も知識量が増えず成長出来ません。
ストレスを一緒に解決してくれた人にはどんなに開放的になるか、とても頼りにしてくれる味方になります。そして働きやすい環境がそこに生まれるのです。
コミュニケーションがとりやすい環境になる、そのきっかけが「部下の困り」なのです。この意味で部下は上司の宝物なのです。
即座に解決できる上司も魅力ですが、一緒に解決する上司はもっと素敵ですよ。
それ以上にその部下が他の同じようなことで困った仲間を助けてあげるというコミュニケーション連鎖が生まれることもメリットでもあります。