店長は店のメンバーをまとめ上げ、自分の思い描いた働きぶりをして貰い、コミュニケーションも良く業績も良い店を作りたいものですよね。
しかし現実は毎日の業務に追われなんとなく方向性を決められず、イマイチ店長として上手くまとめられていないと思う事ありますよね。
そんなあなたに1つ素敵な方法があるのでご紹介します。
この方法を知れば、店長としてメンバーをまとめ上げる事だけでなく、メンバーから協力もして貰え業績も上がり、目標に向けて職場に活気があふれ仕事が楽しくなり店長として覚醒できます。
店長は仕事の方向性を1つ決めると協力が得られる
今の時代仕事をガムシャラにする働き方は流行りません。昔のように精神論では仕事は上手く行かず誰も着いてきません。
そもそも店長は店のメンバーからすれば、何を考えているのか分からないという上司特有の扱いを受ける事もしばしばあります。
ですので店長は自分の頑張り方をメンバーにも分かるように、一本筋の通った方針をつくると良いのです。
では具体的な方針の作り方を次にご紹介します。メンバー皆が分かる店の方針を作り、その考えを共有出来たら皆も着いていきやすいし時には新たな良い意見もくれたりして店が活気づく事間違いなしです。
店の方針はマーケティングと連動させて作るとリアル感がでる
方針と言うとつい○○を頑張ろうとか○○万円目標などと具体的にしても根性論となり、1か月も経つと何が方針だったか忘れ去られます。達成できても出来なくても店メンバーの身近にないものは浸透しません。
では何が1番良いかと言うと、マーケティングです。
マーケティングとは
商品を何故買ってくれたのか、買わなかったのか、どうすれば欲しいと思うのかを考えて作戦立てる事です。
客が買いたくなる仕組みをつくる客目線の作戦であり理想ですがドラッガーはマーケティングが出来ていると販売は不要とも言っています。
マーケティングと聞くとデータだけで机上の理論に思えるかもしれませんね。確かに店の売上や営業分析を行う際にデータとして調べますが、店のメンバーにはあまり関心がないものですし、店長自体も調べて終わり的な代物です。
しかしこのマーケティングを柱に1つ工夫すると本当に面白い方針ができます。
来店して欲しい客に適した商品と適した取り組みを決める
結論から言うと世の中のお客様に自分たちが何を買ってもらうかを決めて、それをどのように売っていくかを決めておくという事です。
店の方針 | |||
自然界(商圏) | 店の取り組み方 | 商材を決める | |
① | 潜在顧客 | 広告やSNSを使う | 無料のサービスを用意 |
② | 認知客 | ホームページを作る 店装を整える | 買いやすい商品を展開 |
③ | 顧客 | 次回来店に繋がる応対 | 一般商品とお勧め商品 |
④ | 得意客 | 好みを分析把握する | 好みをベースに展開 |
⑤ | 紹介客 | 次回来店に繋げる関係 | 一般商品とお勧め商品 |
ざっとこんな感じですが、それぞれについて説明をします。
自然界について
いうなればなたのお店がある商圏の事です。ですが昔と違って今はネットやSNSがあり、ただ単に地理的に近いという考えではもったいないです。
自店の存在をアピールできる範囲を今は商圏と考えて、それは自然界と言って、やりようによっては商売の範囲を好きにコントロールできます。
その自然界にはお客様が存在しますが、それを①~⑤まで区分して捉えてください。
①はまだ自店の存在を知らない潜在顧客
②は自店を知っているがまだ来店や購入をしてない方
③は自店を利用した方
④は自店を何回も利用しているお得意様
⑤は店のファンで自ら別のお客様をつれてくる方
こう言ってもよくわからないと思いますので、店のメンバーには①②は将来の顧客であり今は目の前に居ないお客様です。
③④は店が顧客データを作っているなら、そのデータは使えます。データが無くても店の情報発信にいち早く反応してくれるお客様であり目の前にいる方です。
⑤は目の前には居ないのですが、お得意様から生まれたインフルエンサー集団で、こちらからは働きかけは出来ませんが、情報発信力はものすごいパワーがあります。
商圏のお客様の状態を表すマーケティングファネルというものをイメージして頂くと良いのですが、一番大きい①の潜在顧客があり下層になるにつれどんどん絞られます。
潜在顧客の大きさがその店の最大の可能性となりますのでより大きく構えておく準備をしておくと、最終的なお客様であるお得意様形成も可能性が高まります。
これらのお客様に対して貴方のお店が提供する商材があるのかを考えてみて下さい。
もし無いならば、お客様に商材が適しているか否かは後で検証するとして、まず作ってみましょう。
商材のコンセプトは先の表にあるように考えるとよいでしょう。
商材について
客の区分ができればその客に何を提案していくかを決めるのです。
今ある商品でも良いし、無ければ作るのです。
例えば③の一般顧客には顧客向け商品やサービス。①の潜在顧客に何も用意してなかったと気付けば潜在顧客.には何にしようかと皆で考えだせばよいのです。
よくありがちな事ですが、店側が売りたい商材をどの状態の顧客にも同じようにアピールするという形の営業をしてしまう事があります。
例えば家電屋さんなら電化製品をうるのは③の顧客が対象です。
しかしその上の最大キャパとなる層の潜在顧客にむけての商品ではありません。
潜在顧客には『今はこんな楽しい、不思議な家電製品があるんですよ~』という情報がその店の潜在顧客にたいする商材になるのです。
それ以外にサービス券や クーポンなど用意して次の下層に降りてきてもらう事も考えておくとよいですね。
店の取り組み方について
これが店の方針です。店のこだわり店のルール店の統一という事でも良いです。
要するに店長は自然界で区分けした客ごとに自店の商品やサービスをどういうやり方で提供していくのかを決めておくのです。
しかしながらこれは固定された方針ではなく客の範囲が変わるなどしたら、商品も変えてよいし、社員が仕事に飽きたら売るものを変えても良い、進め方も改善して良いのです。
あれこれ変えていくと混乱するのではと思うかもしれませんが、変える事もルールとして皆で共有すると仕事がおもしろいのです。
店の方針のゴールはONE TO ONEマーケティングである
自然界の顧客のゴールは得意客作りです。そしてその方針はONE TO ONEマーケティングです。
ONE TO ONEマーケティングとは
ものを作れば売れる時代にはマスマーケティングであったが、消費が多様化している今は顧客に一つの商品で完結させなくLTVを最大化する事を考えねばなりません。
LTVとはLife Time Value といって生涯顧客価値のことで、一顧客が生涯を通じて自店にもたらす利益のことです。
一般的にどの市場においても新規顧客を獲得するには広告認知など、あたるか当たらないかの経費が膨大にかかります。
その為既存の顧客を維持する事が重要なテーマであり、LTVはその顧客が生涯に消費するシェアをどれだけ多く獲得できるかが重要なため、ONE TO ONEと言う手法を使います。
消費の多様化が進んでいる中、消費者自身も何が自分に必要な消費行動かも気付いていないので、供給側の店の情報発信も顧客の状態に合わせて自作していく必要があります。
ONE TO ONEマーケティングにより顧客に次回提案を行い、何がその顧客毎に必要であるかを決めて差し上げるという情報提供をおこなえる関係をもつ営業スタイルを作ります。
マーケティングファネルという大きな入り口から絞られて下層まで絞られて来ていただけた顧客を大切に維持していきます。
ちなみにLTVの式は次のような形になります。
LTV=平均購入単価×購入頻度×継続購入期間×自店の利益率-経費
これで分かる通り 購入頻度をいかに増やすかが方針において重要なテーマとなります。
結論 自然に任せた店舗営業は危険!全て自店でコントロールするべき
毎日の営業で店舗に来店されるお客様は、来るべき事を店舗側が行っていて来店したと自覚しなくてはいけません。
たまたま今日来店したと思うかもしれませんが、たまたまでは決してあり得ません。
ONE TO ONEという形で何かがその方が来店するように仕向けた結果なのです。
潜在顧客なら店舗が起こした何かの情報発信がきっかけであり、顧客なら買いやすいお勧め商材が準備されていた、得意客なら前回に次回提案をしていたなどです。
つまり来店客は店側が自店でコントロールしているのです。
たまたまの様に思えるかもしれませんが、少なくても自店でコントロールしている考える事が営業方針の要なのです。
もし自然に任せていたら世の中が変化すると成すすべもなく店は自然の力に押し倒されてしまうでしょう。
店長として営業方針を1つしっかり持つだけで、自然界をコントロールでき、従業員と一致団結できる素晴らしい仕事ぶりができると分かって頂けたと思います。