自分が店長になり店を任されると、とにかく業績を上げたいと思うのは当然ですよね。
業績を上げる為には、物やサービスを販売する訳ですが、その販売力によって業績の結果が変わってくる事も現実です。
つまり店のメンバーの販売力の良し悪しが店長としては気になる所です。
店メンバーの販売の良し悪しをチェックする事も大変ですし、伸び伸び仕事をして欲しい気持ちもあるが、しっかりと売り上げも作って欲しいと思う店長の苦悩は皆さんあると思います。
そこでこの記事ではそもそも販売力とは何なのか、販売力の良し悪しとはどういう事か、業績アップの為にはどの様に社員教育を行えばよいかという悩みの解決策をご紹介します。
販売テクニックは不要!売る気が無くても自然に売れる
結論から言うと、販売の上手下手は実は関係なくて、ある事を知っていれば店のスタッフの販売力に影響を受けず業績を上げる方法があるのです。
この事を順を追って解説していきます。
本題に入る前に少し販売と営業の違いについてうんちくを申しますと。
販売はお客様が欲しいと思って来店しますので、店側は何が欲しいかを伺って店の商品やサービスとマッチングさせることです。
一方営業とはこちらが用意した商品の良さをお客様にプレゼンして気に入って頂いて買ってい頂く事です。
つまりお客様のご来店と販売というものは自然な流れなのですが、ここに間違って営業を入れてしまうと、お客様と商品のマッチングを間違ってしまう事がおこります。
この営業というものは、お客様が求めている以上のものを売ろうとか、今日は個人の成績が調子いいからこの客様へは無理に提案しないでおこうという、店側の勝手な考えなので営業は教育内容としては個人の力量であり定着しないものです。
販売力はマッチング!3つのパターンを知れば良い
ではここから本題です。
販売は商品とお客様を引き合わすマッチングと言いました。
お客様の話を伺って、その要望に応える商品を売るのです。
ここで一番重要なことがその売り方、つまりマッチングの方法です。
マッチングのパターンは3つあって、やり方を間違えると売れなかったり機会損失になって損をしてしまうのでよく読んでください。
最高な状態を売る方法【パターン1】
お客様が店にお悩み解決の方法がわからなくて相談に来られた時に使います。
ここまですれば大丈夫という状態を教えてあげる販売形式です。
例えば、今まで使っておられたものが壊れてご来店されたなら、修理ではなく今後も長く安心できる新品を第一に提案する。
何かお困りで相談にこられたら、一番全体をカバーできる商品やサービスを提案しておくという形です。
業界としたら専門性のある商品や買回り品を扱う店での販売形式です。
求めるものだけ売る方法【パターン2】
お客様がこれ下さいと言って来られる販売形式です。
この時は何も新たな提案などする必要はありません。お客様はその商品を知り尽くして自分の問題解決する方法も知っているからです。
業界としては日用品などのお店での販売形式です。
最小限のものを売る方法【パターン3】
このパターンはお客様が予算が少ない場合です。とにかく安さや速さを求められる販売形式です。
最高の状態をお話しした後に、ご予算か納期などの制限や事情で販売内容を削っていく形です。
販売にはこの3パターンがありますが、実際に覚えるのはパターン1の最高の状態を作る販売形式です。
最も重要な販売形式は『最高な状態を売るのではなく、話しをする事』
私の言う最高な状態とは
お客様が困っている事をその場しのぎでなく今後しばらくは困らないであろう状態にしてあげる事です。例えばメガネが壊れたら修理する事よりも新しく作り直す方が長持ちして安心できるということです。
どのお客様もご来店=お悩み解決です。
お悩みは大小お客様によって様々ですが、来店によって何かを得ようと考えてます。
店側はそのお悩みやご要望の解決に対し、プロとしてお客様にとって最高の状態を販売して欲しいのです。
お客様のお財布を心配しすぎて不十分な販売では、あとで何かを追加する事になるので逆にお客様に負担となります。思い切って最も安心できる最高の状態を説明しましょう。
店員の生活や思考レベルで販売をしてはいけません。あくまで絶対的に最高な状態です。
お客様の予算があれば、必ずおっしゃられますので、その後で最高な状態から減らしていく販売をします。
何より一番はお客様が自分に必要な情報を惜しみなく与えてくれる事が良いのです。
要するに物を販売するのではなく、情報を売って欲しいのです。
良く考えてみてください。自分に必要な情報というものは自分では分からないもので、ネットでも調べようがないのです。
そんな自分に必要な情報ををお店でプロから無料で貰える事はとても価値のあることなんです。
これこそ私が言いたいことで、店のメンバーに販売の教育として伝えれば、販売テクニックなど難しい方法は不要になるのです。
販売のマッチングを間違うと不自然な応対になる
次にミスマッチングになるとどうなるのかを見て頂きます。
もしパターン1のお客様にパターン2の販売をすると、最高な状態つまり、多く買って頂けるはずのお客様に言われた物だけ販売するとお客様は満足はされますが、店としては売り損ね機会損失となります。
逆にパターン3のお客様にパターン1の販売をすると予算が合わなく販売に繋がらなく店の機会損失になります。無理売りや店側の営業に見えてしまいます。
1つ付け加えるとしたら、最高な状態を提示しますが、実際の販売ではすべてを売らず残す方がお客様は次の繋がりを持つことが出来て良いです。
まとめ 最高な状態を常に思い描く店メンバーを育てる
ここまで説明させて頂いてご理解いただけましたでしょうか。
店での販売は自然な流れなんです。
お客様には出来るだけ良い情報を与え、それを無理強いなく提案する事でお客様がその時にマッチしたお買い上げをされます。
店メンバーにも、お客様に必要な情報を出し惜しみをしない販売をしてもらえる様に教育するだけです。
そうすると次のような店環境になります。
・お客様に最高な状態を示すことで、売り逃しが発生しない。
・お客様が次に必要なものが分かり店とのつながりが持てる。
・店メンバーもお客様の話をきっちり伺う姿勢となりお客様に安心と満足を与えることが出来る。
・そのため自店の商品の事や、お悩み解決の手法の知識の引き出しを自ら学びつくる姿勢が生まれる。
つまりこのたった一つの最高な状態を示す事を行えば、販売は業績アップを成し遂げる究極な社員教育となり、店長がパートナーである店メンバーを信じて仕事に取り組むことができる状態になるのです。