店長が陰口を利用して職場の生産性とコミュニケーションを改善できる3ステップ方法

箱から覗く子猫

店舗運営をしているとメンバー間で陰口を多少耳にするものです。いい話ではなくいわゆる文句です。
職場では人間関係を一応保つため、人は直接相手に文句を言えないのでそれをつい第3者に言ってしまいます。

ここで管理職である店長が一緒になって陰口を助長しているとうのはもってのほかなのは当然ですが、単に聞いてあげているというのもどちらかというと助長です。ですが反対に否定すれば陰口の発信者の反感を買うだけです。

この記事では、この陰口を上手く利用すると職場の生産性が上がるという優れた管理職の手法を紹介します。

手法第一段階 実は陰口と期待は紙一重であるを知ろう〈導入〉

情報取集イメージ

まずは陰口というものについて認識を深めて頂きます。

陰口とは『こうすればもっといい仕事が出来るのになぁ』と言う事なのですが、それを直接相手に言わず、表現方法も『あんな事してたよ』的な言い方になっている為、誤解されるのです。

しかし実は生産性の高い気持ちの天の邪鬼的な表れなのです。

天の邪鬼なので少しひねくれていますので、その発言そのものは負のオーラを放っています。一般人はそのまま取り扱ってしまい単に陰口や不和の元になりますが、出来る管理職はそれを正のオーラに変換処理します。

手法第二段階 陰口の裏にある理想郷をイメージする〈変換方法〉

変換のイメージ

ここでは負のオーラをまとった言葉を、店長として冷静に本質を見極め、正の内容に変換します。

私が行ったその変換処理の事例を1つご紹介してみます。

私が着任した当時のことです。
職場には、責任感が強い50歳女性と温厚な60歳男性社員がいます。
ある日、私が商品の在庫管理の帳簿をみてその男性社員に『在庫がかなり過剰ですが原因は何でしょうか』と伺うと、『その女性社員が全ての新作をサイズや色違いを全部仕入れる癖があるのです』という答えをされました。

癖?って言う表現は負のオーラをまとった陰口だと私は感じました。

このままでは売れ残りが損失となり、利益を圧迫します。私はこの現状に正直いうと苛立ちを感じましたが、冷静に次のような考えに変換しました。

〈変換内容〉
①女性社員は悪気はなく責任感の強さから品切れのリスクを考えての行動だが、商品管理の知識をもう少し加えると仕入れ方法も改善してくれるだろうという変換

②男性社員は良くない事とわかりつつ女性社員に上手く言えない性格だが、伝えやすいコミュニケーションがとれる環境にしたらよいのだろうという変換

この事例から〈負のオーラを纏った言葉を正の言葉に変換する方法〉をここにまとめておきます。

負のオーラを纏った言葉(陰口)を正の言葉に変換する方法!!

①陰口の内容を正しい仕事内容に置き換える
②その仕事内容に不足している情報や知識を用意する
③その情報や知識を対象者に与える方法をつくる

手法第三段階 陰口は表に出すと誉め言葉になる〈伝え方〉

優しく伝えるイメージ

伝え方は下手をすると告げ口や悪口になりますので注意が必要なことはわかると思います。ではその伝え方について上手な方法をご紹介します。

また先ほどの事例の続きで解説してみます。

私はその男性社員には在庫管理についてよく認識している事を踏まえ、『その女性社員に商品管理について教えますので何か困っていたらアドバイスしてあげて下さい』と伝えました。
そしてその女性社員には責任感がある事を踏まえ、『その男性社員から聞いたんですが、いつも商品調達をしてくれて有難う』とまず感謝を伝えました。
それに加えて、詳しく商品管理の方法を教えてました。

その女性社員はやみ雲に発注する事が減り、時にはその男性社員にも相談するようにもなったのです。

〈ここで伝え方のポイントをまとめます〉

①間違いを訂正して指導するのではなく労いの言葉を使って行っている業務に感謝する態度で話を始める。
 (当人なりに一生懸命仕事をしてくれているのですからね)
②行って欲しい事は今している仕事に付け加えてお願いする形で話す。
 (新しい情報を得ることになり自然と自ら効率化を考えてくれると信じます)
③全容を細かく話さない。聞かれるまで支持をせず当人が自分の仕事を見てくれていると感じさせておく。
 (信用して任されていると感じると遣り甲斐が出ると同時に相談にされやすいですからね)

手法最終段階 陰口を直接本人に言える環境を作る〈まとめ〉

『えっ!そんな事言える訳ないよ 陰口なんだから』と思うでしょうが、その陰口は基本的に仕事を一生懸命する事から生まれるものなので、もし直に言えれば職場にはメリトが大きいです。

方法は単純で、職場のコミュニケーション不足と業務のスキルアップの為の情報不足を解消すればよいのです。

つまり陰口が出る職場は、まだまだ発展する見込みのある会社なのです。
ここに気付き耳を傾ける上司にあなたがなればよいのです。

この陰口の有効な事実を実は職場のメンバーは殆ど分かっていないのです。

貴方は上司としてこのように言ってください!
『不満がある会社はその不満を無くせば発展します。是非その場で会社の為に陰口を言って下さい。』 これで出た陰口という意見にあなたが真摯に向き合えばよいのです。

陰口を聞いてダメなやり方をしている人にそれを辞めさせる為に担当を変えたり、ダメなやり方を指摘するだけで業務改善をめざすのは逆効果です。
誰もやり方が悪いと思ってしている人は居ないのです。単にやり方がわかっていないだけでより良いやり方が解るともっとがんばります。

陰口は生産性向上の素敵な上司にたいするプレゼントなのです。

タイトルとURLをコピーしました